アメリカの日本語媒体

アメリカ各地で発行されている有料紙、無料紙、新聞、雑誌などの日本語媒体の歴史、特徴、読者層、課題、今後のビジョンについて現場を担う編集者に聞くシリーズ。 

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第10回 1975年から2010年まで発行・日系文化を育む雑誌『TV FAN』

日本語テレビ番組を紹介

私が初めてフリーランスのライターとして活動を開始したのは2003年、原稿を書かせてもらった雑誌の名前は『TV FAN』だ。以降、同誌の最後の発行人となった竹内浩さんが2010年に発行を止めるまで原稿を書かせてもらった。そして休刊後、日系のイベントに行くと、「『TV FAN』はもう発行されないのですか?」と読者から度々質問された。あれから11年経ち、今はもうさすがに聞かれることはなくなったが、質問されていた頃は「『TV FAN』は随分と熱心な読者に支持されていたのだ」と改めて実感したものだ。

竹内さんを「最後の発行人」と書いたのは、彼の前に2名の発行人がいたからだ。創刊は1975年。故塚原孝…

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第9回 2000年開設『びびなび』全米33カ所、世界展開のオンラインメディア

参加型の媒体 

これまで本シリーズでは、全米各地で発行されている新聞や雑誌など紙媒体の編集責任者に取材してきた。しかし、インターネット社会の今、紙媒体以外に、オンラインのみで運営している「日本語媒体」にも焦点を当てるべきだろう。この原稿を書いている『Discover Nikkei』自体もまたオンライン媒体だ。オンライン媒体は、世界中どこからでも見られること、修正が必要な時にすぐに対応できること、さらには情報を見ている側もコメント欄に書き込むことで双方的なやりとりが可能なことがメリットとして挙げられる。その特性を生かし、2000年5月にローンチしたロサンゼルス版を皮切りに、現在全米33エリアに「あなたの街のオン…

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第8回 1984年発行『日刊サン』—LAのコアな読者に支持される新聞

ドジャース野茂旋風が転機に

私がロサンゼルスで暮らし始めた1992年当時、日本語新聞『日刊サン』は有料だった。その後、無料紙になったこと、さらにトルネード旋風を巻き起こした、ロサンゼルス・ドジャースの野茂選手の登場で、まだインターネットから情報を取ることが一般的ではなかった90年代半ばに、一気に同紙が身近な存在になったように記憶している。野茂選手がいかに『日刊サン』の救世主だったかを熱く語ってくれたのは、創業者の牧野泰さんから2012年に事業を譲り受けた現発行人の冨山敏正さんだ。

「1984年、ロサンゼルス・オリンピックの年に創刊した『日刊サン』は、10年間、25セントで販売されていました。私が入社した94年に無…

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第7回 1903年創刊『羅府新報』- ロサンゼルスの有料日系紙

英語と日本語の両輪 

1903年に創刊された『羅府新報』は今も週に4日、有料紙として発行されている(パンデミック中は週に3日発行)。フリーペーパーなどなかった時代からロサンゼルスの日系社会のために地元のニュース、日本のニュース、そして生活情報を届けてきた同紙には、筆者も渡米直後からお世話になってきた。車がないとどこにも行けないこの土地で、ロサンゼルス生活が長い知り合いから「クラシファイドで車を探せるよ」と羅府新報を渡された。そして、中古車ディーラーの広告を見て、公衆電話から問い合わせを入れたことを今も覚えている。携帯などなかった29年前の話だ。そして、私はその真っ赤なマツダの中古車を無事に購入することがで…

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第6回 1990 年創刊『いろは』- ダラス日系社会密着型の月刊新聞

地元日系組織との連携

ダラスで発行されている無料の日本語新聞『いろは』の名前を聞くことは度々あった。しかし、カリフォルニア在住の筆者にとっては、どのような媒体なのか、中身を知る機会がなかった。その理由は同紙が地元の日系社会密着型であり、地域外に向けて情報を発信していないからだということが、発行人の上田誠さんの話から分かった。2021年8月現在、電子版の発行はしていない。

『いろは』が創刊されたのは1990年。今から30年以上前のことだ。ダラスの鉄板料理レストランのシェフとして渡米した上田さんは、その後、キャリアを変えてカメラの修理の仕事に携わった。そのような異業種からなぜメディア発行人に転身したのか、その経緯が興…

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