(英語) 車で収容所に到着すると、男の人たちが辺りをうろうろしていたんです。私たちは、お父さんはどこだろうと周囲を見渡していると、「お父さんだ、お父さんがいるよ。」と姉が言うので、私も探したんですね。でも持っていた写真に写っていた立派な父の姿を見つけることはできなかったんです。それでようやく父は窓の方に近づいて来て姉たちと話し始めたんですけど、私は、本当にこの人がお父さん?という感じで、とってもがっかりしたんですね(笑)。私もそれが父だとはわかりませんでしたし、小さい妹は怖がって父から逃げてしまったんです。私も逃げ出したかったけれどそこまで幼くはなかったし、できませんでしたね。でも父であるその人が嫌だったんですよ(笑)。なんだか汚いし、みすぼらしくてね。私は、父はハンサムで立派で、おしゃれで身なりもきちんとしている人だと思っていたんです。だから実際の父の姿にはがっかりしたんです。
でも姉たちは父とハグしたりして、とてもうれしそうだったし、母もとても幸せそうでした。私もうれしそうに振る舞う努力をしましたけど、実際はそうではありませんでした。父に慣れるまでしばらく時間がかかりましたし、人から聞いていた話と父の実際の姿はかなりかけ離れていたんです。でも父は穏やかで、愛情に満ちた人でした。後になって父から聞いた話によると、娘が自分から逃げていったことにはずいぶん傷ついたそうです。父は、「娘がね、自分の娘がだよ、僕から逃げて行ってしまったんだ。」と言ってました。
日付: 1998年5月27日
場所: 米国、ワシントン州
Interviewer: ロリ・ホシノ
Contributed by: Denshō: The Japanese American Legacy Project