シカゴの宣教師たちと日本人 ― オンガワ道太郎

ハリー・北野は著書『Generations and Identity: The Japanese American』の中で、「日本に行った初期キリスト教宣教師たちの伝道はうまくいかず、むしろ渡米してきた日本人移民たちが彼らにとってよき伝道対象となった」と書いている。が、北野の分析は、シカゴの日本人にはあまりあてはまらない。むしろ日本での伝道が成功したからこそ、日本人がシカゴにやってくるようになったといわんばかりだ。その一人がオンガワ道太郎こと小川道太郎である。
小川道太郎がシカゴにやってきたのは1871年4月、12歳の時である。長老派の宣教師であるクリストファー・カロザスの妻ジュリアが、日本からアメリカ…